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センター所長からのごあいさつ

どんな先生を育成したいのかと
問われたならば
教職課程センター所長小出 高義Koide takayoshi

大東文化大学教職課程センターは、「教職を夢見る学生を一人でも多く導きたい」をスローガンとして2016年度に設立されました。その名の通り、教員免許取得を目指し、さらに教員採用試験に合格して教壇に立つことを夢見る学生をサポートすることを第一の任務とした組織です。教員免許以外にも図書館司書、司書教諭、学芸員、社会教育士など、本学で取得できるさまざまな資格取得のお手伝いも行っています。

皆さんは、どんな先生を目指していますか。きっとモデルとなる先生との出会いから「あのような先生になりたい」という思いを持っているのではないでしょうか。本教職課程センターは、そんな先生になる事を夢見ている学生の皆さんを、支援するためにある組織です。加えて、司書教諭、図書館司書、学芸員、社会教育士など、専門職としての資格取得のサポートもしています。

私事になりますが、大学で教職を目指す学生の皆さんを育成する立場になって、15年ほど経ちました。それ以前は、中学校の保健体育教師をしていました。体育授業や部活動指導で、様々な生徒との触れ合いを求めて教師になり、忙しくとも充実した日々を送っていたのです。中学校でも4校目の勤務ともなれば、中堅からベテランとして扱われ、重厚な校務分掌を担わなくてはなりません。それまでの生徒会の係や、人権教育の係などとは違った、重圧感のある生徒指導主事を担当する事となりました。

加えて、市内各校の生徒指導の担当者による生徒指導主事会の事務局校も重なり、とりまとめ役もやることとなりました。その4月に、第1回の担当者会を当番校として開催したところ、集まった各校の先生方から「久々に挨拶を返さない生徒達に会ったな」とか、「掃除の時間でもきちんとやってる生徒が少ないね」などと、日頃から感じていた痛いところを指摘されたのです。さらに、「この学校が市内で一番荒れている学校だね」と、会議前に「市内一荒れた中学校」と認定を受けてしまったのです。

当然ながら、毎日のようにいろいろな問題が発生しました。毎朝7時には、部活動の朝練習指導に向けて家を出ましたが、放課後に問題行動のあった生徒の家庭訪問に向かう担任の先生に付き添い、帰宅するのは23時という事も珍しくありませんでした。

そんなある日、授業に参加できない3年生達が、校舎から体育館への渡り廊下の壁に、どれだけ大きな穴を開けられるかの力自慢大会が始まり、3学年の先生方が制止しても、彼らは一向に止める気配がないと、報告を受けました。また、2年生は始業のチャイムが鳴っても、どのクラスの生徒も教室に入らず廊下で騒いでおり、授業者の先生方の指導を受け入れないというのです。さらに、1年生の男子生徒が、教室で机や椅子をひっくり返し暴れており、先生方が近づけない状況だというのです。

手に負えないそれぞれの状況から、「小出先生、早く来て」と呼びに来られたのも、ほぼ同時でした。けれども、どこから対応したらいいのか、このときほど困惑したことはありません。それぞれの事案を解決し帰宅後に襲ってきたのは、これが毎日続いたらどうなるのだろう・・・という不安でした。

どの先生も疲れ切っているのはわかっていましたが、生徒指導一人が頑張った所で限界があります。これから先を考えたとき、頑張りの利く先生、頼りになる先生を増やしていくしかないと思ったのです。ここから大学の教員養成に携わる事を決意しました。この内容は、教員を目指す学生さんにも話してきましたが、皆さんには、先生になる事をゴールにしないで、先生方から頼られる先生になることをゴールにして欲しいと願っています。

教職課程センターでは、教職セミナーをはじめとする採用試験合格のためのサポートのほか、教員になった後のことも見据えた教員養成を行うべく、さまざまなイベント・プログラムを用意しています。教職を目指す方はぜひ本センターを活用ください。